ビールのおつまみの定番として知られる「柿の種」。
今回のコラムでは、柿の種の亀田製菓の事例をもとに、利益アップの2つのポインについてお話します。
東洋経済オンラインの4/22付の記事で、亀田製菓の佐藤社長は、「ライバル企業はものすごい、びっくりするくらいの安売りをしている。亀田はブランド価値を守るため、売上でなく価格維持を最優先する」と述べています。
そして、亀田製菓は、柿の種のブランド価値の低下と採算悪化を回避するために、
下記のような施策を行いました。
①ブランドの維持、採算悪化を回避しするために値上げを実施したい
②調査会社に消費者の「柿の種」の適正価格の調査依頼
③調査の結果、適正価格は200g、税抜198円と判明
④適正価格のデータをもとに、小売り側に理解を得たい
⑤小売店での販売価格を維持することが可能となった

ですが、価格変更に伴う、消費者離れが懸念されています。
その対策として、塩分30%カットした「減塩 柿の種」や、チョコやチーズ味が入った「亀田の柿の種 トレイルミックス」などの派生品を投入しています。
同社は、「ブランドを維持するために、売れ行きに影響があっても、198円を維持することは変えない」とのことです。
利益アップにおける2つの注意点
この事例には、私たちのような小さな会社が注意すべき2つのポイントがあります。
①お客様から、安売りをしている店(会社)というイメージのレッテルを貼られてはいけない
一般的に、売上をあげるためには、安くしてでも売ることになりがちです。
そして、安くしなければ売れないという思い込みに囚われています。安売りは便利な方法ですが、「諸刃の剣」でもあります。
それは、安くしてしまうことで、大量に売らなければ利益が出せません。これが薄利多売という状態です。
お客様の頭に、安売りの店(会社)と言うイメージが一度付いてしまえば、払拭することは難しくなります。
経営資源の限られる小さな会社では、この状態は避けたいものです。
逆に、価格を上げれば、客数は減ります。ですが、実際には客層が変わってくるという現象が起こります。
それは、高くても価値を感じているお客様が購入してくださるということです。客数は減るが、利益が出やすくなるので、以前ほど数を売るということが重要ではなくなります。
もちろん、価値を感じてもらうためには、その価値を伝えるということを怠ってはなりません。
②売上だけでなく、利益に注目すること
得てして、売上をあげることを重要視してしまいがちです。実際には利益が最も重要です。
例えば、貰った給料(売上)から、水道光熱費、家賃、保険、食費などが引かれていきます。
そして、手元に残ったお金(利益)で、欲しいモノを購入するということになります。
ですが、企業では利益が少なければ、人を雇ったり、広告を出したり、設備に投資したりなど、必要な施策を講じることができません。
このように、売上だけでなく、利益を上げることが重要となります。そのためにも、客単価をアップさせる、リピート購入を促すなど、具体的な解決策を考えていく必要があります。
まとめ
今回お伝えしたいのは、売上をあげるために安易な安売りをしないこと。
安売りは簡単にできますが、それは「呼吸をしながら、徐々に首を絞めている」ことになりかねません。
そして、お客様の中で、安売りのイメージが一度付いてしまえば、覆すことはとても難しくなります。
そして、売上を見るだけでなく、利益に注目していくことです。
とある会社の実例ですが、売上はあるのに利益が出ていないのをおかしいと思い調べてみると、営業マンが勝手に値引きしていたというものです。
つまり、売上目標を達成するために、利益を削っていたということです。
営業マンに、売上ばかりを求めるのではなく、利益を確保するという考え方を共有することも重要です。
私たちのような小さな会社は、「薄利多売ではなく、厚利少売」でビジネスを行うことが重要です。
ぜひ、あなたも利益をアップすることができるかを考えてみてください。
執筆者

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